2013年に慶應義塾大学を卒業後、三井物産株式会社に入社しブリキという錫メッキ鋼板の輸出業務に従事しました。伝統ある鉄鋼メーカーさんと二人三脚で世界中を周り、先人の方々が築いたMade in Japanに対する信頼を肌で感じる経験となりました。その後日系のコンサルティングファームである株式会社リヴァンプに在籍し、PEファンドの投資先の企業価値向上に取り組んだ後、株式会社ジーユーに転じ4年間社長補佐として経営を支えました。成長戦略の策定から実行まで幅広い経験を積みましたが、綺麗な戦略の策定というよりは、現場に入り込んだ泥臭い実行を得意とし、常にハンズオンの姿勢で経営に携わって参りました。
実家が中小企業経営を行っていた為、幼い頃から商売というものに対する興味と憧れがありました。また、社会人として幸いにも経営に近い場所で経験を積むことができ、特に最後に在籍したファーストリテイリングで同社の歴史と強みに直に接することで、「経営の本質は中小企業経営にあるのではないか?」と思い立ち、サーチファンドへの挑戦を決めました。
現職の経験も踏まえ小売、特に店舗型の企業の承継を考えていますが、消費財等の身近な商品を扱うメーカーや飲食業界等、幅広く検討させて頂きたいと考えております。お客様と現場を第一に考える経営者を目指しております。
これまでの経験を通じて事業は人であり、人生そのものであるということを実感致しました。それは事業が単に売上や利益と言った数字を産むものではなく、それに携わった一人ひとりの意志、想いが宿ったものであるということです。今回サーチファンドという仕組みで事業承継をさせて頂くにあたり、この想いを噛みしめて事業成長を目指したいと思います。
株式会社Kが展開する美容室「hair make ONE」は創業者の方の従業員を想う気持ちが店舗という場に宿り、ここまで拡大を遂げてきたと思っています。「店は客のためにあり、店員とともに栄える」という言葉がありますが、この言葉を地で行く、そして更に追求できる可能性を秘めた会社を承継するご縁を頂けたことに感謝しかありません。
前職時代に店舗とは単なる不動産ではなく、数字を生み出す収益拠点でもなく、「人」であると心の底から納得されられる瞬間が何度もありました。そしてその「人」も従業員Aや従業員Bではなく、一人ひとりの人生があり、誰かの家族であり、友人である、文字通り生身の人間であると実感致しました。
その「人」の集合体である店舗を一店舗一店舗どれ程良くできるか、そして良い店舗を新たに幾つ生み出せるか、この掛け算が本質的な会社の成長であり、「hair make ONEが成長することで業界全体を改革していく」、これに人生をかけて挑戦して参ります。