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Ryo OHTOMI

 Interview #

3

大富涼 (vol.4)

Ryo OHTOMI

株式会社アレスカンパニー

代表取締役社長(元サーチャー)

愛知県出身、一橋大学卒、同MBA修了

vol.4 | GENDAグループへの参画とアレスカンパニーの未来

2023年10月にアレスカンパニーはGENDAグループへ参画することになりました。まずは経緯についてお聞かせいただけますか

 (大富)実はGENDAのCFOは就活時代にお世話になった方だったんです。私がアレスカンパニーを承継したタイミングで、その方もGENDAに参画されていたので、久しぶりに一緒にご飯に行って、近い業界の中で頑張っていこうという話をしていました。その後も時折連絡を取り合っていたのですが、GENDAがIPOを果たされた後に、一緒にやっていくのはどうか、という打診をいただきました。

その時はどう感じていたのですか?

 (大富)SFJと一緒にアレスカンパニーを承継してからまだ1年数カ月のタイミングだったので、早いなとは思いました。SFJの投資ポリシーとして、サーチャーが経営経験を積むこと、また投資先の企業価値向上を大事にしているので、早すぎるエグジットが主旨に合わないんじゃないか、投資ポリシーに反しないか、とは率直に思いましたね。経営者としては、独力でもまだ伸ばせる実感はあったのですが、一方で事業パートナーとしてGENDAのことはとても魅力的に感じました。

GENDAのどんな点を魅力に感じていたのですか

 (大富)まずは業界で注目を浴びている企業であり、GENDAグループが運営している『GiGO』等のアミューズメント施設というとてつもない大きい販売チャネルが開けるのは、アレスカンパニーとして、とても良いことだと感じました。実際当時GENDAとは取引もありませんでしたし。

 また、GENDAはIT分野に関するノウハウや人的リソースを豊富にお持ちでした。アプリの開発や店舗DXなどをGENDA自身で手掛けられていて、アレスカンパニーもITについては課題感を持っていたので、そのノウハウ・リソースを活用できるのもとても魅力的でしたね。

 最後に、業界の中でも高いプレゼンスをお持ちだったので、従業員のみんなにとってもGENDAグループに入ることは雇用の安全性とか長期的なキャリアも含め幸せなんじゃないか、とも思っていました。たくさん悩みましたが、アレスカンパニーの未来も考え、GENDAの傘下に入ることを決めました。

ファンド側の視点として、伊藤さんはどのようにお考えだったのでしょうか

 (伊藤)最初にお話を聞いたときは、確かにタイミングとして早いな、と感じたのが最初の感想です。大富さんがもっとアレスカンパニーを成長させてくれるイメージもありましたし、早すぎる譲渡は「SFJは会社を短期間で売買するファンド」という誤解を生まないか、という見栄えも正直なところ気になりました。

 ただ、丁寧に検討するにつれ、GENDAグループに入ることはアレスカンパニーの将来にとってメリットが大きく、また大富さんにとっても経営者として次のステージにつながるキャリアだと感じました。アレスカンパニーの社長としてはもちろん、GENDAグループ内でも活躍の場を広げていってくれることも期待しています。

 また、SFJの投資ポリシーとして大切にしている「サーチャーに経営経験を積んでもらう」、「企業価値の向上を通じて投資リターンを創出する」という点についても、短い期間の中でも大富さんが立派に実現してくれました。業績も大きく成長しましたし、組織力も強くなりました。ですので、後ろめたい点は一切なく、胸を張って大富さんの意向を尊重しようと、GENDAへの譲渡を決断しました。

なるほど、ありがとうございます。大富さんはGENDAグループに入った今後も引き続きアレスカンパニーの社長としてリーダーシップをとられます。現在、アレスカンパニーとしての未来や成長ストーリーはどのように考えておられますでしょうか

 (大富)まずはGENDAグループの中でシナジーを最大限発揮することが第一の目標です。プライズゲーム市場は引き続き伸びており、売上の多くを占めています。一方で、プライズ(商品)を作る人たちとゲームセンターの間の橋渡しをする機能はGENDA内にそれほどなかったので、そのハブとしての機能は、非常に価値のある役割だと考えています。そのうえで、投資前にも感じていたプライズディストリビューター業界全体の非効率を、アレスカンパニーが解消できるような総合的なソリューションを提供できる存在になっていきたいと考えています。その際にはGENDAグループが保有する豊富なITリソースをふんだんに活用しながら、業界の先駆者になれるよう、邁進していきたいです。

最後に、大富さんのサーチ活動を振り返った感想を教えて頂けますか

 (大富)サーチャーというキャリアは、アントレプレナーであり、失敗するリスクは拭い去れません。ですので、万人にお勧めできるわけではないと思っています。ただ、ゼロからイチの起業よりは場合によっては遥かにリスクが低く、かつ経済的インセンティブも含め、得られるものがとても大きかったなと思っています。自分自身の成長実感でいうと、従業員も含めステークホルダーの人生を背負うことのプレッシャーを感じることができたのはとても大きかったです。もちろんとても苦しいプレッシャーではあるのですが、自分が頑張れば全員を幸せにできるのが経営者だと感じることができました。経営を通じていろんな良いことも悪いことも経験して、同性代の中では、一番経営のことを考え・実践したのではないか、という自信がつきました。それはサーチャーというキャリアでしか得られないものだと思います。

サーチャーという経験を経て、大富さんは今後、どんなことを成し遂げていきたいですか?

 (大富)今はGENDAと一緒に世界一のエンターテイメント企業を作りたい、という思いがとても強いです。GENDAは本気で世界一のエンターテイメント企業を作る、ということを実現しようとしています。前回お話ししたように、日本の経済を再活性化させるために、日本のエンターテイメントの力は次の起爆剤になるんだと、サーチャーをやる前から感じていました。それを本気で目指す企業と出会えたこと、さらに自身も社長経験を積んだうえで参画できたことは、自分にとってもとても運が良かったと思っています。ですので、いろんなキャリアの選択肢はあるとは思いますが、まずは、自分が選んだ先で、自分と共にここまでアレスカンパニーを成長させてくれた仲間と共に、さらに大きな夢を追って頑張っていけたらと思っています。

大富さんの話を聞いていると、本当に日本発の世界一エンターテイメント企業になるという夢を実現できそうな気がします。最後に、伊藤さんからも大富さんへメッセージをお願いできますか

 (伊藤)大富さんは、日本のサーチファンド業界の初期に、リスクをとってサーチャーというキャリアに飛び込みました。大富さんがサーチャーとして成功して、大富さんに憧れる次世代のサーチャーが続くような、良き先駆者になってほしい、という思いで支援してきましたが、立派にその期待に応えていただいたと思っています。

 一方で、大富さんにとっては、サーチファンドは経営者としてのキャリアの最初のきっかけに過ぎないとも思います。ここで満足したり驕ったりせず、この経験を糧に、素直な気持ちも忘れず、次のステージでも更に大きく羽ばたいていってほしいと思います。

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▼大富涼 連載インタビュー

vol.1 | サーチファンドにつながったキャリア

vol.2 | サーチ活動を通じたアレスカンパニーとの出会い

vol.3 | 大富社長の誕生

vol.4 | GENDAグループへの参画とアレスカンパニーの未来

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