サーチファンド・ジャパン
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Ryo OHTOMI

 Interview #

3

大富涼 (vol.1)

Ryo OHTOMI

株式会社アレスカンパニー

代表取締役社長(元サーチャー)

愛知県出身、一橋大学卒、同MBA修了

vol.1 | サーチファンドにつながったキャリア

まずは、サーチファンドにチャレンジするまでのキャリアについてお聞きしてもよろしいですか?

 (大富)一橋大学大学院商学研究科MBAコースを卒業後、新卒で三菱商事に入社し、ベインアンドカンパニーという戦略コンサルを経て、サーチファンド・ジャパンのサーチャーになりました。

 三菱商事では、国内で事業投資先の管理を1年やった後タイの事業投資先に派遣され、事業改革のプロジェクトの一環として、新規直営旗艦店⽴ち上げに携わっておりました。その投資先は農業機械の販売を行っており、自分自身もタイの地方に赴き農家の方々にトラクターを販売していました。

 その後、ベインアンドカンパニーに転職した後は、大企業向けのM&AにおけるDDやPMIプロジェクトなどに従事していました。

ありがとうございます。サーチファンドという存在はどこで知ったのですか?

 (大富)大学院にいたときに知りました。サーチャーをやること自体に興味を持ったのですが、日本ではまだサーチファンド投資家がいなかった時期でしたので、いつかはやってみたいけど、今の日本では無理だな、と思っていました。

 2020年に入り、サーチファンド・ジャパン(SFJ)が設立されてサーチャーを募集するという情報を見まして、説明会などに参加し、改めてサーチャーをやってみたいという思いが再燃したので、応募させていただきました。

大学院時代から知っていたのですね。なぜサーチャーをやってみたいと思ったのでしょうか?

 (大富)学生時代から、日本には経営人材が足りていない、という課題に対して自分が貢献できることは何か模索していました。特に企業の大半が中小企業であるこの国において、中小企業の経営力を上げることで日本経済の活性化に資することができるのではないかと考え、自分の人生のミッションとして、その領域にアプローチしたいと思っていました。

 そんな中サーチファンドという仕組みを知り、比較的若いタイミングでも経営経験が詰める仕組みで、かつ、自身のミッション意識とも合致していたことが、サーチャーを志願した理由としては大きかったです。

経営者を増やす、というミッションに対して、サーチファンド投資家のようなプラットフォーマー側と、サーチャーのような自身が経営をやる側と、両方あるかと思います。どうして後者を選択したのでしょうか?

 (大富)まずは自分自身で経営者をやってみて、その経験や視点を持ってから還元したいと思ったからです。若いうちから経営経験を積むことができるサーチファンドという仕組みであれば、現時点でも経営にチャレンジできると思いましたし、経営者の仕事・スキル・マインドは経営者にならないと真に理解することはできないと信じているので、早い段階で経営経験を積むことで還元できることも増えていくのではないかと考えていました。

なるほど、ありがとうございます。サーチファンドというと、トラディショナル型とアクセラレーター型があるといわれていますが(※参考記事)、その中でアクセラレーター側のSFJのサーチャーとしてやっていこうと思ったのはなぜでしょうか?

 (大富)トラディショナル型を選ばなかった理由は、投資家のネットワークを全く知らなかったので、投資家を自分で探してくることが現実的に考えられなかったのと、投資家を見つけられたとして、事業を経営する上での一番のパートナーになるわけですから、信頼し、共に事業成長や社会・顧客への価値最大化を目指せる視座の高いベストなパートナーなのか、という目利きができる自信がなかったからですね。

 その点SFJは、色々な面談を通じて、伊藤さんも含めてメンバーの方々のスキルセットも高かったので自身の不足している部分を補ってくださる安心感がありましたし、マインドセットも同じ方向を向いてビジネスができる実感がわきました。

伊藤さんはSFJのサーチャーとして大富さんを選んだ立場ですが、大富さんに投資を決めたポイントはどのあたりでしょう?

 (伊藤)SFJのサーチャーとして大事にしているポイントの一つに、現場感に対するリアルをどこまで想像できているか、という点があります。サーチファンドで投資対象となる中小企業の経営者は、大企業の社長と違ってアシスタントや秘書もいない中で、自分で手を動かしながら経営をしていかなければいけません。

 その点、大富さんは、我々が大事にしているポイントをすでに三菱商事時代に経験されているな、と感じたことがサーチャーとして選んだ大きな理由の1つでした。履歴書だけ見るとピカピカな経歴に見えるのですが、タイの駐在時代に農家を1軒1軒自分の足で駆けずり回って取引先を開拓していた経験をお聞きし、自身が能動的に動かれながらチームを推進していたのだなと感じ、その経験をもってすれば中小企業のリーダーにもなれるなと判断しました。

 (大富)実際タイの子会社での経験は、サーチャーとして経営を始めた後もとても活きましたね。タイの子会社の場合、そもそも言語も文化も全く違う人々の気持ちに寄り添いながら、一方で数字を作っていかなければいけないプレッシャーの中で、一定の成功を収めることができました。その経験は、マネジメントの経験としてとても良かったと思います。一緒に働くチームメンバーの心の機微に寄り添いながら物事を進めていく、という点は、タイであろうと日本であろうと変わらないな、と思いました。

その他、これまでのキャリアを振り返って、サーチャーをやるにあたり活きた経験はありましたか?

 (大富)三菱商事に企業や商売の基本的な進め方、リスク管理や内部統制などのスタンダードを高いレベルで学べたことは大きかったですし、ベイン時代にも、プロジェクトマネジメントのやり方や、イシューの優先順位の付け方など、経営に必要な考え方のベースを構築できたことは大きかったです。

 (伊藤)たしかに、私も戦略コンサルにいましたが、経営課題をどの粒度で分解して、どの項目に重点を置いて物事を解決していくか、という思考プロセスはコンサルで身につくかもしれないですね。

 (大富)はい。伊藤さんがさっき仰っていましたが、アレスカンパニーを経営していると、いろんなことが自分に降りかかってくるんですよね。労務とか税務とか、自分が一切触れてこなかった分野にも対処しなければなりません。その時に、論点を抽出して優先順位をつけて、その中で社労士や税理士のような専門家にお願いするところと、自分で理解して対処するべきところと、うまく分類しながら物事を進めていく、その進め方や考え方のベースは、コンサル時代に身についたかもしれません。

 (伊藤)なるほどね。ただ、大富さんの場合、その思考プロセスだけでなく、商事時代に人の気持ちに寄り添いながらチームを率いた経験もあったから、経営者として最高のスタートを切れたんだと思います。

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▼大富涼 連載インタビュー

vol.1 | サーチファンドにつながったキャリア

vol.2 | サーチ活動を通じたアレスカンパニーとの出会い

vol.3 | 大富社長の誕生

vol.4 | GENDAグループへの参画とアレスカンパニーの未来

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